経緯
依頼でフィギュアを20体分作ってくれと依頼が来た。
初めは3Dプリンターで複製しようと考えていたが、フィギュアの構成上研磨の時に時間を要すると思いシリコンで型を作ってみようと思った。
以前から気になっていた真空脱泡で複製すればきれいなものが出来ると調べてみてこの方法でやってみようと思った。
準備
- ワッカーシリコーン M8012
- ウェーブレジンキャスト アイボリー
- スケーター(Skater) 真空 パンケース
- Mr.型取りブロックプレート
- 油粘土 セリア
- Mr.シリコーンバリアー
シリコンで型取り
今回複製するものは4点構成にしている。
頭、胴体、クッション、尻尾
右が完成形である。
初めにブロックで大きさに合わせて組み立てる。
次に粘土を敷いてフィギュアの片面を埋め込む。
この状態でシリコンバリアーを塗布する。
真空脱泡では湯口を広めに取ると成功しやすいと調べたら出てきたので真似してみた。
セリアの脂粘土を使ってみたけど柔らかすぎてフィギュア複製用には向いていなかった。
買い替えようと思っていたが時間がなかったのでこれで行くことにした。
シリコンはウェーブ社を使用してみようと思ったが容器がプラで廃棄しやすいワッカーシリコーンを使用した。初めて使用するシリコンだがうまくいくのか心配。
シリコンと硬化剤を混ぜてフィギュアの表面に軽く乗るぐらい流していく。
軽く流したら真空脱泡機でシリコン内の空気を抜いていく。
使用するのは食品で使用するおひつみたいな物を使う。
大きさもそれなりで2000円だったためこれにした。
容器内の空気の面積を減らして空気を抜く作業を減らすためにスタイロフォームを入れてみた。
後々考えてみたらスカスカのスポンジを入れてもあまり意味はなかった模様。
上部の棒を上下に動かして空気を抜いていく。
容器がかなり凹むまでやってみた。
空気を抜いたら20-30分放置して弁を開いて圧を開放する。
他の方がやってる動画を見てるとシリコンが沸騰するようになっているが自分はそこまでいかなかった。
これじゃ空気を抜け切れてないのかな?
それでも見た感じは綺麗な表面になっていた。
次にシリコンでフィギュアが見えなくなるまで流し込み空気を抜く。
これで片面は終了。
分解して粘土を取り除く。
粘土代をけちってセリアの油粘土を使ってみたが、シリコンにもびっしり粘土がくっついて剝がすのが大変だった。シリコンバリアー塗ったのに効果はなかった。
もう片方も真空脱泡して型の完成である。
レジンで複製
型が出来たらレジンで複製する。
2液の溶剤を混ぜて硬化させるタイプの溶剤を使用する。
180秒で固まるからてきぱきしないといけない。
フィギュアの重量+15gぐらいになるように準備する。
脱泡機に型を入れる。
レジンを混ぜて素早く型に流し込む。
30秒以内に空気を抜いて弁を開放。
完全に硬化するのを待つ。
そして型を開けてみると・・・
失敗してる・・・
型を見返すと右の方はレジンが通れる空間が塞がれていて行き届いてなかった。
問題なのは左の方だった。
湯口よりも上部に造形したい部分がある為、この型では湯口をもっと上に上げて大量のレジンを流し込まないと造形されないこと。この認識で合っている?
こうなったら真空抜きをあきらめてスタンダードなやり方をやってみた。
湯口を漏斗で高くして空気の抜け道を上部に入れてみた。
結果としては成功だった。
この方法で20体分を複製した。
複製後は造形物の表面がさらさらした肌触りをしていた。
やわめの歯ブラシで中性洗剤で洗浄したらさらさらした感触はなくなった。
塗装
最後に塗装の作業に入る。
レジンで複製されたものにはレジンプライマーを軽く塗布する。
この後の手順は、グレーサフ⇒着色塗装⇒クリア塗装 というように塗装した。
完成した制作物は以下のようになった。
裏面にマグネットを仕込めば冷蔵庫にも貼り付けできる。
感想
初めての真空脱泡を試したが知識不足で失敗となった。
通常の複製方法でもうまくいってよかった。
微細な気泡もできていたため今度はリベンジしたい。
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